ヤーコン葉を加熱すると抗酸化力がアップ?知られざる製茶法と健康効果

やかん

ヤーコン茶は、健康志向の高まりとともに注目されている自然派健康茶です。特に、ポリフェノール類を豊富に含むヤーコン葉は、抗酸化作用を期待される成分として知られています。近年の研究では、ヤーコン葉に熱処理を施すことで、その抗酸化活性が向上することが明らかになっています。本記事では、熊本県産ヤーコン葉を用いた熱処理研究の論文を基に、ヤーコン茶の効果的な作り方と健康効果について詳しく解説します。


■ 論文情報と研究の背景

  • 論文タイトル:2段階熱処理による熊本県産ヤーコン葉の抗酸化活性とフェノール成分の変動
  • 著者:上田裕人 ほか
  • 発表年:2018年
  • 発表先:東海大学 先進生命科学研究所紀要
  • 論文URLhttps://www.u-tokai.ac.jp/uploads/2021/03/02_8.pdf

ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)は、南米アンデス原産のキク科の植物で、日本でも栽培が広がっています。ヤーコン葉には、クロロゲン酸やカフェ酸などのポリフェノール類が含まれており、抗酸化作用が期待されています。しかし、これらの成分は加工や調理によって変化する可能性があるため、熱処理がヤーコン葉の抗酸化活性に与える影響を調査することが重要です。

■ 研究方法

本研究では、熊本県産ヤーコン葉を以下の手順で処理し、抗酸化活性とポリフェノール含量の変化を評価しました。

  1. 凍結乾燥:収穫したヤーコン葉を凍結乾燥し、保存。
  2. 熱処理:凍結乾燥したヤーコン葉に対し、2段階の熱処理を実施。
  3. 抽出:処理後のヤーコン葉から水溶性成分を抽出。
  4. 分析
    • 総ポリフェノール含量:フォリン・チオカルト法により測定。
    • 抗酸化活性:DPPHラジカル消去能試験により評価。
    • 成分分析:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、ポリフェノール成分の変化を解析。J-GLOBAL+2東海大学+2公

■ 研究結果

◆ 総ポリフェノール含量の増加

熱処理を施したヤーコン葉では、未処理のものと比較して総ポリフェノール含量が増加しました。特に、カフェ酸の含量が顕著に増加し、抗酸化活性の向上に寄与していると考えられます。東海大学+2聖恵学園大学+2東海大学+2

◆ 抗酸化活性の向上

DPPHラジカル消去能試験の結果、熱処理後のヤーコン葉抽出物は、未処理のものよりも高い抗酸化活性を示しました。これは、熱処理によって抗酸化成分が増加または活性化されたことを示唆しています。

◆ ポリフェノール成分の変化

HPLC分析により、熱処理後のヤーコン葉ではカフェ酸のピークが増大していることが確認されました。また、クロロゲン酸などの他のポリフェノール成分も検出され、熱処理によってこれらの成分が変化または生成される可能性が示されました。

■ 実用的な応用と今後の展望

この研究結果は、ヤーコン茶の製造において、熱処理が抗酸化活性を高める有効な手段であることを示しています。適切な熱処理を施すことで、ヤーコン茶の健康効果をさらに高めることが可能です。今後は、熱処理の条件(温度、時間)や方法(乾燥、焙煎など)を最適化し、より効果的な製茶法の確立が期待されます。


■ なぜヤーコン葉を「加熱」するのか?

ヤーコン茶

多くの健康茶は「乾燥→焙煎(熱処理)」という工程を経ますが、ヤーコン葉についても加熱による成分変化が注目されています。

この研究では、

  • 低温乾燥(45℃で18時間)後に
  • 高温で2段階の熱処理を加える

というプロセスで、葉中のポリフェノール濃度と抗酸化力の変化を調査しました。


■ 研究で明らかになった「抗酸化力の上昇」

◆ 主な成分の変動

処理前後で変化が見られた主なフェノール成分は以下のとおりです:

成分名処理後の変化
カフェ酸約1.4倍に増加
クロロゲン酸熱安定性が高く維持
その他のポリフェノール一部は分解・一部は生成

この結果から、適切な加熱処理によってポリフェノールが増加し、抗酸化活性が向上することが確認されました。

◆ 抗酸化作用の検証方法

  • DPPHラジカル消去能:活性酸素を除去する力の指標
  • TEAC値(Trolox Equivalent Antioxidant Capacity):ビタミンE換算の抗酸化力

いずれの試験でも、熱処理後のヤーコン葉の抗酸化能が向上しており、加工工程そのものが「健康価値」を高める要素になることが示されました。

■ 引用論文・参考文献


■ hamayaのヤーコン茶はこうして作られています

当店で取り扱っているヤーコン茶は、ヤーコンの葉と茎を丁寧に熱乾燥して製造されています。

  • 低温でじっくり乾燥し、栄養価を保持
  • 茶葉を焦がさず、焙煎で香ばしさをプラス
  • ポリフェノールの活性が最大限になるよう調整

お茶としての飲みやすさはもちろん、機能性に優れた「食品」としても高品質な製法を追求しています。


■ ご自宅でできるヤーコン茶の美味しい淹れ方

ヤーコン茶の抽出
  1. 茶葉3〜5gをティーポットに入れる
  2. 熱湯400〜500mlを注ぐ
  3. 5分ほど蒸らす(成分が抽出されやすい)
  4. 香りが立ち、やや琥珀色になれば飲み頃

💡 水出しで作るとポリフェノールの抽出は弱くなります。抗酸化作用を期待するなら温かいお茶がおすすめです。


■ まとめ:熱処理で進化するヤーコン茶。機能性は製法で変わる!

ヤーコン茶は単なるおいしい健康茶ではありません。
今回紹介した研究によって、製造工程によってポリフェノールの量や抗酸化作用が大きく変化することが明らかになりました。

hamayaでは、こうした最新の研究成果も踏まえながら、より機能的で美味しいヤーコン茶を皆さまにお届けしています。