ヤーコン茶の抗酸化成分は淹れ方で変わる? 北大などの研究が示した最適な抽出条件とは

ヤーコン茶は、自然の甘みと豊富なポリフェノールで知られる健康茶です。とくに注目されているのが、クロロゲン酸などによる抗酸化作用
しかし、その効果を最大限に引き出すには「淹れ方が重要」そんな興味深い事実が、北海道大学と室蘭工業大学の研究チームによって明らかにされました。
本記事では、論文に基づきながら、ヤーコン茶の抽出条件と健康成分の関係、そして実際に役立つ淹れ方までを詳しく解説します。


論文情報とリンク


ヤーコン茶とは? 期待される健康効果

  • 南米アンデス原産のキク科植物「ヤーコン」の葉を乾燥させて淹れたハーブティー
  • 主成分は クロロゲン酸・フェルラ酸などのポリフェノール類
  • 抗酸化作用、糖の吸収抑制作用、腸内環境改善などの健康効果が期待されている

研究の背景|なぜ抽出条件を調べたのか?

ヤーコン茶の健康成分は、葉に含まれるポリフェノールが中心です。
しかし、ポリフェノールは抽出温度や時間によって抽出量が大きく変わることが知られています。
本研究では、日本産ヤーコンの乾燥葉を用い、どの条件で最も多くの機能性成分が抽出できるかを検証しました。


研究方法|評価対象と条件

研究チームは、以下の条件を変化させてお湯で抽出し、抗酸化活性(DPPH法)総ポリフェノール含量(Folin-Ciocalteu法)を分析しました。

抽出条件

要素パターン
温度25℃(水出し)、60℃、80℃、100℃
時間5分、10分、30分
葉の状態カット葉、粉砕葉

研究結果|温度と時間が鍵になる

研究によって、以下のような傾向が明らかになりました:

  • 温度が高いほどポリフェノールの抽出量が増える(80〜100℃で最大値)
  • 10分の抽出で飽和傾向(30分にしても大きな差は出ない)
  • 粉砕した葉の方が抽出効率が高い(表面積の影響)

結論として、「80〜90℃のお湯で5〜10分蒸らす」のが、もっとも効果的な淹れ方だとされました。


実用的な抽出方法|ご家庭でも再現可能

おすすめの淹れ方

  • 茶葉3〜5gをティーポットに入れる
  • 80〜90℃のお湯400〜500mlを注ぐ
  • 5〜10分蒸らす
  • 香りが立ち、やや琥珀色になれば飲み頃

💡 水出しではポリフェノール抽出が弱まります。抗酸化作用を期待するなら温かい淹れ方が◎。


商品開発や研究への応用|未来のヤーコン茶に向けて

本研究は、ヤーコン茶を開発・製造する企業にとっても貴重な知見となります。

  • 製造段階での乾燥法・粉砕処理の最適化
  • ティーバッグ設計における粒度と抽出性の調整
  • 機能性表示食品としてのエビデンスづくりに活用可能

さらに、今後は ヒトへの臨床試験や血中抗酸化マーカーの変化など、消費者視点の研究が期待されます。


まとめ:ヤーコン茶は“淹れ方”で進化する健康茶

ヤーコン茶を飲む女性

ヤーコン茶は、ただの健康飲料ではなく、抽出条件によって機能性が大きく変わる“研究ベースの健康茶”です。
上田 貴史氏らの研究から、温度や時間を意識することで、ポリフェノールを効率よく摂取できることが明らかになりました。

はまやでは、こうした研究成果も活用しながら、より機能的でおいしいヤーコン茶をお届けしています。
ぜひ、毎日の1杯を “科学的にちょっと贅沢” にしてみませんか?


参考文献(出典)

  • Ueda T., Sugahara T., Kobayashi M., et al. (2019). Water Extraction Conditions and Polyphenol Content in Yacon Tea. Food Sci. Technol. Res., 25(1), 131–137.
    👉 J-STAGEで読む